建塾の趣意
– この事業は終了しました –
21世紀まで秒読みという時期を迎えて今、社会福祉は大きく変わろうとしている。
すなわち、地域住民と密着した地方自治主導型の方向に沿って、社会福祉関係法が改正され、とりわけ老人ホーム等への入所措置権の町村委譲により、在宅福祉と施設福祉を市町村において総合的に実施する体制が新たに構築されることになった。
さらに老人保健・福祉の総合的展開を図るために、市町村では目下老人保健福祉計画の策定に取り組んでいるところである。
平成5年はまさにこれらの施策が実施に移される極めて重要な年であり、このなりゆき如何は地域住民の福祉に直接かかわるだけに公私の関係者の協働で住民の意識の啓発、高揚並びに住民自らが実践し、活動することができる各種の事業を積極的に展開することが強く求められている。
このときにあたり、私たちは地域を知り、地域を愛し、地域を誇れる人材を創出することを目的とし、戦後沖縄の社会福祉の歴史と象徴する故・島マスを顕彰する記念塾の設立を決意した。
島マスは戦後沖縄の抱える複雑な社会問題に果敢に取り組み、地域福祉活動の礎を築き、多くの人々にはかり知れない影響を与えた人である。
私たちは、島マスの福祉哲学を踏襲するなかで県内外の一流の講師陣から社会全般にわたる知識並びに理念を習得した塾生を輩出することにより、平和・福祉・文化を基調とする、人と人とが支え合う福祉社会の形成に寄与することを確信するものである。
よって、ここに『島マス記念塾』の設立を発起する次第である。
平成5年4月9日