平成29年度成年後見セミナー開催しました
去った7月26日水曜日。沖縄市民小劇場あしびなーにて
「平成29年度沖縄市成年後見セミナー~地域包括ケアシステムと権利擁護~」
を開催いたしました。
県内各所から総勢約180名の皆さまがご参加いただき大盛況となりました。本当にありがとうございました。
昨今、認知症や障がいを理由に判断能力が不十分なため、様々な生活不安を抱えた人が社会問題となっています。
そこで今回は、権利擁護いう視点で、地域全体で支え合うために何が必要かということを一緒に考えることを目的として開催いたしました。
今回は各方面でご活躍されていらっしゃいますお三方をお招きしました。
まずはじめに沖縄県社会福祉協議会 沖縄県福祉サービス利用支援センター所長の久根次薫(くねじかおる)様より「高齢者・障がい者の暮らしを支える仕組み~日常生活自立支援事業~」と題しまして、基調報告をいただきました。
日常生活自立支援事業は、本人との契約に基づいて、担当の専門員が日常的な金銭管理や福祉サービス利用の手続きなどを行います。
また担当の専門員以外にも「生活支援員」という地域住民が定期的なお手伝いをしていただいております。
社協の職員だけでなく、地域の支援があってはじめて安心した暮らしを支えることできます。
今後さらに需要が拡大していく事業ですので、多くの皆さまに知っていただけたと思います。
二人目は沖縄タイムス社編集局社会部 記者の篠原知恵(しのはらちえ)様より取材報告「沖縄タイムス社連載『銀髪の時代 老いを生きる』~記者が見た権利擁護の現場~」と題しまして、支援現場にて取材をされてきた経験を通して、記者の立場から権利擁護の問題に切り込んでいただきました。
認知症や障がいを理由に判断能力が不十分な方の生活ぶりを普段目にすることはあまりないですよね。
篠原さんの報告では、取材時の状況やこれまでの生活歴などを見聞きした記者ならではの視点で、記事や写真を見ながら、お話いただきました。
私たちの身近なところで、誰かの助けを必要としている人がいる現状。。。
そして今後、地域の一人一人が意識してそこに目を向けることの大切さを感じました。
最後に
沖縄大学人文学部福祉文化学科准教授 地域研究所長の島村聡(しまむらさとる)先生による「地域包括ケアと権利擁護~権利擁護活動に欠かせない視点とは~」というテーマで基調講演をいただきました。
専門職だけが支援を行っていても、人やお金の問題が絡んでくるので、実際はなかなか困難もあります。
そんな中、超高齢社会のわが国では「地域包括ケアシステムの構築」ということを目指しておりますが、具体的にどのようなことが求められているのか。。。
島村先生には、「困っているかたを取り巻く生活環境全体を把握し、地域へアプローチする大切さが大事だ」ということを教えていただきました。専門職だけでなく、近隣住民や本人の周りにあるありとあらゆる社会資源に目を向けることが大事なんですね。
先生ご自身が関わった具体例などもご紹介いただき、とても貴重なお話ばかりでした。
ご登壇いただきました御三方には、ご多用にも関わらず、今回講師をお引き受けいただきまして、本当にありがとうございました。また今回もご協力いただきました手話通訳、要約筆記、ボランティアの皆さまにも深くお礼申し上げます。
当会は、昨今求められている地域包括ケアシステムや権利擁護支援体制の構築に対し、地域の皆さまとのよりよい信頼関係を築きながら、当会の役割を果たすべく、これからも邁進して参ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。